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第19話 黄昏ノービス
2009 / 05 / 27 ( Wed )
「おまえら、本当によくがんばったよ」

 イズルード剣士転職場で監督をしていたおじさんは、二人のこれまでの奮闘ぶりを見て、感動しきっていました。おじさん曰く、こんなに熱心に何度もチャレンジするノービスは初めてなのだそうです。みんな数回チャレンジしてダメだと、さっさと諦めて試験場を出て行ってしまうとか。ところがドラガンもドドリオも、もう何度となく失敗しているというのに、休憩すらとることもなく直ぐに再挑戦を繰り返し頑張っていたのです。

「君たちの熱意を認めて、個人的には剣士の証をあげたいんだがなぁ。剣士組合の方が許してくれなくてね」
 おじさんはとても申し訳なさそうに、がっくりと肩を落とし座っている二人の前で頭をかいていました。
「……おいおい、そんな顔で見つめないでおくれ。おじさんとしてももう精一杯なんだ」
「せめてあと一回。一回だけチャレンジさせてくれませんか?」
ドラガンは祈るように手を組み、おじさんに懇願しました。しかしおじさんの力ではもう本当にどうすることもできないようでした。おじさんの後ろでは剣士ギルドの若い役人さんが、指でバツを作って見せています。おじさんはそれを見ると、ふぅっと溜息をつきました。
「明日は来れないのかい?」
「……うん」
「そうか」
とつぶやくように答えたおじさんは、とても寂しそうでした。 
 それから涙で顔をぐしゃぐしゃにしたおじさんに見送られて、二人は剣士転職場を後にしました。
「またこいよな~!」
と叫ぶおじさんの声は、涙で滲んでいました。


 夕暮れ時、イズルードの市場は店じまいの店主たちで慌ただしい様相を呈していました。その市場の中心から少し離れたベンチにドラガンとドドリオの二人はぽつんと座っています。互いに一言も発せず、ただただ市場が片付いていくのを黙って眺めていました。その時、プロンテラから戻ってきたシャンメリーが遠くで手を振っていましたが、二人の視界には入らなかったようでした。

 シャンメリーはベンチの上で体育座りのまま茫然としている二人を見て、すぐに剣士転職試験の結果を知りました。両足を抱える二人の手には切り傷や擦り傷がいっぱいありました。
「なんて声をかけたらいいのかしら」
と悩んでいると、今度はドラガンがシャンメリーの姿に気付いたようで、手を振ってきました。その顔はさっきまでとは違い、穏やかな表情になっていました。隣のドドリオも少し照れくさそうな頬笑みを口元に浮かべていました。
「きっと、落ち込んでいる姿を私が見たら、悲しむと思ったのね」
とシャンメリーは二人の思いやりに胸が熱くなりました。

 しかし本当のところはこうでした。
「ドドリオさん、あそこにいるのシャンメリーさんじゃないですか?」
「ほんとだ、シャンメリーさんだね」
「あの肩越しに抱えている大きな袋って、もしかして食べ物かな」
「可能性は高いね」
「左下の出っ張った部分、ハムっぽくないですか?」
「肉っぽいね」
「今日は御馳走っぽいですね」
「うん、楽しみだ」
元来、楽天的なところのあるドラガン、そして細かいことは気にしないドドリオの二人ですから、シャンメリーを見つけた瞬間から頭の中ではもう今日の晩御飯、そして明日のことでいっぱいになっていたのです。剣士試験のことなんてもうどこ吹く風でした。二人に言わせれば、終わったことを気にしても仕方ないのだそうです。
 こうして三人はプロンテラ最後の夜を、シャンメリーが奮発した御馳走で楽しみました。


 まだ夜も十分に明けきらぬ頃、オーク村までの道のりを調査しに出ていたオビニャンがシャンメリーのもとへと戻ってきました。オビニャンは紐で背中にしっかりと結わえ付けた地図を降ろすと、それを両手で器用に広げ、シャンメリーに道順を指し示しました。
「特に気をつけなくてはならないのがここですね。ゲフェンフィールド、地図の2番です。チョコという獰猛なサルが住み着いています。この猿にひっかかれると……って、寝ないでください!」
「むにゃ……。オビニャンちゃん、お願いだからもう少しだけ静かに寝かせて」
「だめです。今は一刻を争います。少しでも早くグランドクロスを知る者たちを集めないといけないのですから。呑気に寝ている場合ではないのですよ?」
「ぐぅ。」
「あぁ、私は使えるべき主を間違えたかもしれない……。起きて、起きてください。洞毛でつんつんしちゃいますよ!」
 それから朝日が昇るまで、オビニャンの洞毛つんつん攻撃が続きました。



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00 : 28 : 28 | ラグナロクオンライン物語 | コメント(8) | page top↑
第18話 剣士、転職!?
2009 / 04 / 17 ( Fri )


「あなたたちはクルセイダーじゃない」

強い口調でシャンメリーは言い放ちました。それを聞いたドラガンとドドリオは一瞬唖然として、何も言えないまま、ただ突っ立っていました。シャンメリーはそんな二人の様子を見てとり、今度は少し優しい口調で言いました。

「よく聞いて。わたしは決してあなたたちを嘘つき呼ばわりしたいわけじゃないの。あなた達が言うクルセイダーというのは、きっと私たちが言うところのものとは意味の違うクルセイダーなのだと思うの。でもね、そのクルセイダーは一般には通用しないクルセイダーなの」

そんなシャンメリーの言葉に、ドドリオは声を少し震わせながら答えました。

「それなら、そのクルセイダー認定試験というのを受けてくればいいんだね?」
「そうね。でもきっと受からないと思うわ」
「どうして?」
「そんなに難しい試験なのですか?」
「難しいわよ。剣術、槍術、それに精神力、忍耐力。他にもクルセイダーとして持っていなければならない常識力も試されるの。それになにより、まずは剣士としての腕前が相当なものかどうかが問われるわ。剣士としての腕前が未熟なら、認定試験を受ける資格すら得られない。あなた達は剣士の認定試験を受けたことは?」
「……ない」
「……同じく。でも、剣は使えますよ。さっきだって聖騎士団で披露した通りです」

そんなドラガンの答えにシャンメリーはふっとため息を漏らしました。

「あれでは子供のお遊びよ……。本当の剣術というのはね、こういうのを言うのよ」
そう言い終えるや否や、シャンメリーは鞄から取り出したリンゴを宙に投げると、すかさず剣を抜き、落ちてくるリンゴを真っ二つに切り捨てました。二つに割れたリンゴは飛沫を上げて、ぽとんとドラガンとドドリオの頭に落ちました。二人は思わず腰を抜かし、おしりから地面にヘたり込みました。
「これが剣術よ。剣士でも、このくらいなら出来る人は沢山いるわ」
「へ、へヘぇ!」

まるで時代劇で悪い事をして捕まった越後屋のように、ドラガンとドドリオはすっかり観念した様子で、目を丸くしてシャンメリーを見つめていました。

「あなたたちにはできる?」
「む、無理です」
「できない、絶対できない」
「うん。素直でよろしい」

ここまで来ると、シャンメリーの不安な気持ちはすっかり消えており、むしろ、不思議なほど気分が良くなっていました。シャンメリーは密かに思いました。

「わたしって先生に向いているかもしれない」



 それからシャンメリーは二人の要望もあって、剣士ギルドへ行くことにしました。目の前で本物の剣術というものを見た二人の興奮が冷めなく、どうしても剣を扱えるようになりたいと言い出したのです。そんな二
人にシャンメリーはひとつだけ条件をつけました。その条件とは、試験を受けるのは明後日まで。その二日間で受からなければ、そのままオーク村へと出発するというものです。こうしてドラガンとドドリオは剣士ギルドで剣士転職の試験を受けることになりました。

 その二日間の間、シャンメリーはポーション等の回復剤を持ちうる限り買い揃えました。また買い物の途中に、スパリゾートプロンテラ・ねこねこランドでごろにゃんしていたオビニャンと合流し、オーク村までの経路を調査するよう頼みました。オビニャンは「心得た!」と胸を張って答え、いつもながらの素早い動きで駈けだして行きました。オビニャンの後姿を見ながら、シャンメリーは胸の内で祈りました。

「どうか、危険なモンスターがいない地域でありますように……」



 そんな彼女の想いを知らないドラガンとドドリオは、陽気に鼻歌まじりで剣士ギルドの転職試験申し込み書に記入をしていました。二人は名前を書くと、早速、剣士転職試験にチャレンジしてみることにしました。二人ともノービスとしての基本はできていたようで、試験を受けることそれ自体には許可が降りたのですが、その後が実に散々でした。

 ドドリオは第一の試験で丸太から落ちまくりました。そうして落ちるたびにハエにつつかれるので、試験開始から3時間後にはドドリオの服はボロボロになってしまいました。ドラガンにいたっては極度の高所恐怖症らしく、丸太の上に足をかけることすらできませんでした。そうこうして、なんとか勇気を出し一歩前へ踏み出してみたものの、目を瞑っていたために丸太を踏み外し、そのまま落下しました。落下した先には偶然ファブルがおり、それをおしりで踏みつぶしてドラガンはレベルアップしました。


 とにかく一日目はこうして試験に受からないまま終了しました。二人の様子を見続けていた試験監督のおじさんは、精一杯の作り笑顔を浮かべて、落ち込む二人に言いました。

「また明日もがんばれよな」

ですが、おじさんの応援もむなしく、その翌日も二人は失敗続きでした。ドラガンはようやく丸太の上に足をかけられるようになったのですが、二歩三歩と進むうちに足がもつれてそれ以上がなかなか進めずにいます。ドドリオは丸太から落ちた後の迷路の洞窟でひたすら彷徨い続けました。そしてとうとう約束の時間が来てしまいました。


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00 : 50 : 15 | ラグナロクオンライン物語 | コメント(3) | page top↑
懐かしさに泣いた
2009 / 04 / 09 ( Thu )
今回はユグドラシル物語ではなく、日記?のようなものです。(´・ω・`)ノ




今日、帰宅してメールを開いてみたらこんなものが届いていました。


”プロンテラスクエア vol.147【日本最強のギルドを決める「RJC2009」の予選トーナメントがスタート!!】”


週に3回くらいのペースで届くこのおなじみ、ガンホーさん公式のメールマガジン。
実はこれが来るのをそれなりに楽しみにしていたりしますw
(もちろんガンホーの回し者じゃないよー!)

ROを毎日プレイしているのなら、このメールを邪魔に感じたかもしれないけれど、週に0.5回くらいのプレイ頻度だと、まるで故郷からのレターのように感じてしまって・・・。「あ、おじいちゃん元気にやってるんだ」というような気分になれるのです。





うんうん、今回も面白そうなアップデートがあったんだなぁ。
エイプリルフールイベントか~。
うわっ。ポリンカードのポリン絵、リアルすぎるだろ~。
ドッフルギャンガフフフフフフフフ・・・なつかしいw


と、楽しみながらメールを眺めていたら、こんなSSが貼られているのを発見。

よこよこ



エイプリルフールイベントでモンスターが襲撃か~!
またいつものだねw
大挙して押し寄せてくるんだよね。
そしてサーバーがダウンして・・・。
って、ん?


んん!!!???



よこよこ2



ちょwwwwwwwwwwwwwww


なんだろうこの気持ちは><。
長年会っていなかった古い友人に出会った気分だ。



ヒルウィンド

↑古い友人のヒルウインドくん。
恥ずかしがり屋なのか、前のSSではバンシーちゃんの後ろに隠れています。



それにしても、わざわざ4月1日に再登場してきたということは・・・やっぱりダメ出しされたってことだったのだろうか。私的には30分で作りました!といったようなところと、軽快なステップが好きなんだけどなぁw


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22 : 59 : 40 | 未分類 | コメント(0) | page top↑
第17話 シャンメリーの決意
2009 / 03 / 06 ( Fri )
ドラガンとドドリオ。このくったくのない笑顔で笑いながらシチューを食べている二人が、今のシャンメリーにとっては悩みの種でした。というのも、二人がグランドクロスという世界を救うであろう未知のスキルの使い手だと信じていたのに、実際はノービス同然の力しかもっていなかったからなのです。その事実をつい先ほど目の当たりにしてしまったシャンメリーは、ショックのあまりどうしたらいいのか分かりませんでした。


聖騎士団を出た後も、シャンメリーは何処に行く訳でもなく、ただふらふらと歩いていました。ドラガンとドドリオはそんなシャンメリーの様子を見て、「大丈夫?」と心配そうに声をかけました。二人の声に反応してシャンメリーは返事こそするものの、どこか上の空でした。それもそのはずです。この時シャンメリーの頭の中では、二人と出会ってから今までの事を懸命に整理していたのですから。


彼女が初めてドラガンとドドリオに出会ったのは、プロンテラ城の中でした。そこで二人は一般人には見えるはずのないオビニャンやその友達の猫たちの姿を、はっきりと見ています。そして彼らと話もしています。そもそもオビニャンはムネマサ神父から預けられた猫で、グランドクロスの使い手を探すための猫でした。オビニャンにはグランドクロスを知る者しかその姿を見ることができない特殊な魔法がかけられているのです。ですから、二人がグランドクロスを知っているという点では間違いはないはず。しかしその使い手がまさかこんなに弱いなんて……。


そこまで考えると、シャンメリーは不安で胸がいっぱいになりました。この先、オーク村までどうやってこの二人を伴って行けばいいのだろう。途中には危険なモンスターがいるかもしれないのに。今から二人を鍛え直すという手もあるけれど、それにしたって時間がかかり過ぎる。でも、もしこのままオーク村を目指して、途中で危険なモンスターに出会ったりしたら、そして万が一の事があったりしたら。シャンメリーの心は今にも泣きだしてしまいそうな程、憔悴していました。
その時、シャンメリーを心配そうに見つめるドラガンが声をかけてきました。

「シャンメリーさん、やっぱり顔色が悪いよ。一度宿に戻ろう」

その言葉を聞いたシャンメリーは、ついぽつりと疑問に思っていた事を口に出してしまいました。

「あなたたち、本当にクルセイダーなのですか?」

突然のシャンメリーの言葉に、ドラガンとドドリオはびっくりしました。そして、びっくりした顔のまま、素直に答えました。

「クルセイダーですよ」
「そ、そうですよね。わたしったら何を」

シャンメリーは直ぐに正気に戻り、今言ってしまった事を打ち消そうとしました。ですが、この先のことを考えたら、やっぱり今言っておくべきかもしれない。そう思い直しました。ドラガンとドドリオ、二人の聖騎士団での振る舞いを見ても、そして今の言葉を聞いても、おそらく自分たちがクルセイダーで、強いと思いこんでいるに違いないのです。本当のことを教えてあげないと、この先無茶をして危険な目に遭うかもしれない。いえ、危険な目で済むのならいいけれど、それよりもっと恐ろしい目に遭うかもしれない。それなら今ここで本当の事を教えてあげた方がいい。シャンメリーは拳を強く握り、勇気を振り絞って二人に言いました。


「あのね、伝えておきたいことがあるの」
「何ですか?」
「うん?」
「あなたたち、きっと気づいていないと思うから、もしかしたらその……凄く傷つくかもしれないから言い辛いのだけれど」
「何だろう?言っても問題ないと思うよ。ドラはともかく私は平気だと思うから」
「わ、私も大丈夫ですよ!」
「まずは一つ目ね。オーク村まで歩いて行かなければならないの」
「ふむ。ペコペコ借りられなかったから仕方ないね」
「それは覚悟の上ですよ。全く問題なしです」
「あとね、もう一つ。これはもっと重要なことなのだけれど、あなたたち、クルセイダーじゃないと思うの」
「いや、クルセイダーですよ?」
「うん。それなら教えてくれるかな?どこでクルセイダー認定試験を受けたの?」
「どこって……」
「正直に答えて。どこで受けたの?」
「そんな試験受けてないですよ」
「私も受けてない」
「……やっぱりね」
「でもクルセイダーです」
「認定試験、受けていないのでしょう?」
「試験は受けていないけれど、パルコ神父にはそう言われた」
「うん、言われてる」
「えっとね、パルコ神父があなた達にどのように言ったのか、それはわたしには分からないのだけれど、ひとつだけ言えることがあるの。そしてよく肝に銘じておいて欲しいの。あなたたちは、クルセイダーじゃないわ」



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第16話 衝撃の事実
2009 / 02 / 04 ( Wed )
白ネズミのタロウを追うのにもすっかりくたびれた二人は、寄り添い合いながら、そのままクークーと寝息を立てて寝ていました。そこへ階段を下りてくる人の足音が響いてきました。ドドリオはパッと目を覚まし、すぐ隣で寝ているドラガンをたたき起こしました。
「誰か来る」
「……むにゃ。え?何かあったんですか?」
「誰か来るよ」
「う、うーん。むにゃ……、きっとお掃除の人ですよ。もう眠いから寝ましょうドドリオさん」
「いや、二人だ。二人分の足音だ」
その時、階段の上の方からランタンの灯りがスゥッと伸びてきました。
ドドリオは咄嗟に身構えました。
ドラガンは寝てました。


「むむ。シャンメリーさん?」
ドドリオはランタンの灯りに目をしぱしぱさせながら訊ねました。
「あぁ、ドドリオさん!それにドラガンさんも。……って、嗚呼!神様、なんてことを!」
「おっといかん。せめて毛布一つでも与えておくんだった。ほれ、これを」
ドドリオは檻越しに団長が差し伸べた毛布を受け取り、それで自身の体を包みました。また、隣で寝ているドラガンを叩いて起こし、毛布を巻かせました。ドラガンはシャンメリーの姿を確認すると、それまでの眠気がふっとんだかのように喜びました。


こうしてシャンメリーのおかげで二人は留置所の牢から出ることが許されました。彼女が二人の事を証明してくれたおかげで、例の偽物を名乗って悪さをする連中ではないということが分かったのです。そして、それまで何も食べていなかった二人には、団長の厚意で暖かい食べ物が出されました。


彼らが食事をしている合間に、シャンメリーは団長にペコペコの件を訊ねることにしました。
「彼らはクルセイダーとしての証明ができなかったようですが、歴としたクルセイダーなのです。ですから、どうか今回だけは特別にペコペコを貸してはいただけないでしょうか?」
そんなシャンメリーの願いに、団長は目を細めて言いました。
「う、ううむ。しかしだな、それはできんのだよ。聖騎士でもない者に聖騎士団の証であるペコペコを貸すことはできんのだ」
「ですからそれは」
「ましてや彼らは」
「彼らは?」
「彼らは恐らくノービスだよ。何の職業にも付いていない、いわばペーペーだ」

その言葉にシャンメリーは一瞬、絶句しました。絶句し、ようやく出た言葉には、戸惑いの想いがありありと分かるほど震えていました。
「えっ……そんな!?だって、あの鎧は」
「ああ、確かに不思議な鎧だ。カピトリーナの紋章も入っているし、彼らの言うことが丸っきり嘘というわけではないだろう。だが昼間色々と試させてもらったが、剣の実力も槍の腕前も素人だ。とても聖騎士だとは思えん。むしろソードマンとしても怪しいところだよ」
「そんなはずは」
今にも泣きだしそうなシャンメリーに、団長は暖か味のある声で諭すように言いました。
「なんなら自分の目で確かめてみるかね?」
シャンメリーは小さく頷きました。




団長はドラガンとドドリオに近付き、優しい声で言いました。
「食事中のところ悪いのだが、君たちの剣の腕前をシャンメリーさんにも見せてやってくれないか?」
「ええ、構いませんよ。ね、ドドリオさん」
「ふぐ」
口の中に食べ物が入っている途中のドドリオは変な声で了承しました。
二人は席を立ち、団長が用意したブレイドを握りました。
「ではいきますよ。そいや!そいや!えいや!」
「ほい!ほい!ほい!」
二人が剣をでたらめに振る様子を見たシャンメリーは、あまりのショックでそれ以上何も言うことができませんでした。団長はシャンメリーに囁きました。
「ちなみにフランベルジェも持たせてみようとしたが、ダメだった。あれは、彼らには重すぎたらしい」
この後、剣と同様に槍でも試しましたが、二人は重い槍を持つのが精一杯なようで、あっちにふらふらこっちにふらふらしながら前を突いていました。

シャンメリーはその場にふらりと倒れそうになりましたが、団長が咄嗟に手を伸ばしてくれたおかげでそうならずに済みました。彼女にはこの現実が重すぎたのです。




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